鯛の群生地で知られる小湊!
ベイエフエムDJの“島ちゃん”こと島村幸男さんが、県内各地の見どころスポットを散歩するこのコーナー。今回は鯛の群生地で知られる小湊へ行きました!
「小湊は家族で鯛を見に遊覧船に乗ったり、仕事で温泉宿を訪れたりと楽しい思い出がいっぱい」という島ちゃん。
まずは鯛の浦を周遊する遊覧船に乗船!
天気も良くて気持ちいいクルージングになりましたが、はたして鯛は見れるのか!?
その後は乗船場の目の前にある誕生寺へ参拝。言わずもがな日蓮聖人ゆかりの寺院で、金色美しい祖師堂などご住職に案内いただきました。その参道にある人気土産店では名物のパイナップルを堪能。最後は地元の魚介パスタで満腹です!
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鯛の浦遊覧船
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本日の散歩、まずは歩きではなく内浦湾を巡る遊覧船でのスタートです。遊覧船の歴史は古く、船長の石渡千速さんによると江戸~明治期にはすでに営業を開始していたようです。島ちゃんもすっかりテンションが上がっています!
「鯛を見るにはまずこれに乗らなきゃね。前回来たときは見れたけど今回はどうかな!?」
こちらには周遊コースがあり、最初に天然鯛のビューポイントに向かいます。水深は約20mとのことで、船の上から海中に魚がいるかどうかはうかがい知れません。
「うーん、前に来たときはもっと水が澄んで深いところまで見えた気がするけど…」
不安そうな島ちゃんでしたが、すると突然たくさんの魚影が! 船員の撒いたイワシの餌を目指して、魚が水面まで上がってきました。
「あっ来た来た! でもあれは真鯛じゃないね。それにしてもたくさんの種類の魚がいるな~」
上がってきたのはヒラマサやメジナ、イサキ、イシダイなど。石渡さんによると、「今日はまだ水温が低く、水の底にいる鯛は動きが鈍くなっている」とのことで、海面まで上がってこられなかったようです。
船はそのあと絶景スポット「大弁天・小弁天」をはじめ、日蓮聖人の生誕地「誕生水」や「蓮華ヶ渕」へと進みます。昭和天皇行幸記念碑などもあり、見どころは満載です。
「今日は鯛に会えず残念…でも景色はサイコーです!」
そして謎なのは、深海にいる鯛がなぜこうした浅い海にいるのかということ。
これだというはっきりとした理由は石渡さんにもわからないそう。ただ「日蓮聖人生誕の際に鯛が群生したという記録のもと、小湊の漁師は鯛を日蓮聖人の化身・分身として獲らずに、守るべきものとしています」と石渡さんが言うように、そうした環境が鯛にとって年間通して棲みやすく、餌場や産卵に適した場所となったことは間違いないでしょう。
「普通に考えれば深海にいるはずなのに不思議ですね。日蓮上人を発端に、人と鯛が互いに守り合いながら、現在まで発展してきたのかも」と島ちゃんも感慨深げでした。
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大本山小湊誕生寺
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誕生寺は、先ほどの遊覧船乗り場から道路を挟んだ目の前にあります。
「「ここに鯛が現れるようになったのが日蓮大聖人のご生誕がきっかけということで、小湊に来て誕生寺に来ない手はないですよね」
島ちゃんが言うように、日蓮大聖人は貞応元(1222)年に小湊の地に生誕しました。誕生寺はその降誕の地を記念して建立されたもので、今年は降誕800年にあたる記念すべき年なんです。
ご案内いただいたのは、住職の小野義成さん。
「遊覧船でも行かれたかと思いますが、もともと当寺は鯛の浦のもう少し沿岸の方にありました。その後2回の大地震や大火にあい、移転を重ねて現在は4つめの場所になります」とのこと。
大災害にみまわれながらも、水戸光圀公はじめ人々の厚い支援を得て、そのたびに再興してきたそう。
明治に入ってからはご病弱だった大正天皇へのご祈願所になるなど、皇室とも深い関係をもち、建物には菊の御紋も入っています。
住職にはその後も日蓮大聖人御幼像や仁王門などの造りや歴史について、また宝塔内宝蔵では日蓮大聖人の生涯や教えなどについて子細に説明いただきました。なかでも島ちゃんが印象に残ったひとつが鯛供養の鯛塚です。
「「ここでは港で獲れてしまった鯛を供養しているそう。小湊の漁師さんにとって鯛は守るべきものだからね。こうした行事があることでも、ここが小湊に住む方々の心の支えになっていることがわかります」
エビ網などの漁で鯛がとれた場合は、火葬場で処理してきちんとお葬式を挙げているそうですよ。
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松孝商店
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とても徳の高いお話を聞き、心が満たされたところで誕生寺参道にある「松孝商店」へ。店主の松田さんご夫婦が迎えてくれました。ベイエフエムのフレンドシップショップでもあるんですよ!
こちらは3代にわたり、誕生寺の参道で店を構えているそう。
主に扱う商品は「松孝ブランド」と呼ばれるフルーツです。パイナップルをはじめキウイやアボカドなどを、独自の手法でおいしく仕立て上げているとのこと。
「私たちはフルーツに時間と手間ひまをかけてじっくり熟成させ、芯まで甘く、最高においしい状態にいます。パイナップルも芯まで甘いと評判なんですよ」とご主人の松田さん。
そんな話を聞きながら、冷やしたカットパイン(1本200円)を頂いた島ちゃん。
「冷やしただけのパイナップルながら、芳醇な甘みが出て美味しい! 暑くなるこれからの季節にはもってこいだね」
ほかに鯛せんべい、びわゼリーなどの定番土産物や、インド・タイ・バリなどの輸入服の販売もあり、店内は非常に賑やかです。「お土産で売れ線なのは、みそせんべい(550円)です。ここだけの限定発売なんですよ」と奥様からのおすすめもいただきました。
「見た目は単なるお土産屋のようですが、長年にわたり輸入フルーツ専門の仲卸として品質の高い商品を売ってきた信頼の店。お喋りが楽しいご夫婦も最高! また絶対来ます」
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レストランナチュール
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最後は港から少し離れたレストランへ。店名の通り緑豊かな雰囲気のある店構えです。
こちらはコースのみの営業で、メインのおまかせコースはランチ4,400円、ディナーは5,500円。「メニューは主に地元で水揚げされた魚を使った料理を中心に、自家天然酵母で焼いたパンを提供しています」と話すのはオーナーの奥谷さん。
島ちゃん、素敵に盛り付けされたコース料理のスパゲティーをパクリ。こちらは小湊で獲れた伊勢海老とアスパラを使用しています。
思わず「あー…これは美味しいね」と、ささやくような小声になってしまいました~。
伊勢海老は店内の生簀にあるものを調理したもの。「生きているものを使ったからこその味わいがあります。添えてある伊勢海老の足もポリポリした食感でおすすめです」と奥谷さん。
この味を求めて、お客様は県外からの方も多く、中には20年前から通いつめる方もいるそう。ただお店は奥谷さんが一人でサービスしているとのことで、要予約です。
「今日は時間の関係でコース全部を頂けなかったので、ちょっと予約しておこうかな!? こちらの自家製酵母パンも食べに来たいで~す!」
今回は小湊の新鮮な食材をいただき、小湊の歴史を語るに欠かせない日蓮聖人について学び、そのお膝元で暮らす方々から小湊の文化を教えていただいた、小湊三昧の実りのある散歩となりました。
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取材を終えて・・・
今回は遊覧船に乗るなど、最初からいつもとは違う散歩になりました。日蓮聖人が若くして出家し仏教を懸命に学び、「自分の幸せを願うならまず社会の幸せを願う」という思想は宗教を超えて、今の混沌とした世の中に訴えていくべきテーマですね。地元の漁師さんは日蓮上人にあやかり、獲れてしまった鯛は食べずに供養する話も感銘を受けました。でも遊覧船で鯛を見られなかったのは残念だな~、きっと「また来い」ということですね!?
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お散歩情報
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- 鯛の浦遊覧船
鴨川市小湊183-8
TEL:04-7095-2318 - 大本山小湊誕生寺
住所:鴨川市小湊183
TEL:04-7095-2621 - 松孝商店
住所:鴨川市小湊183
TEL:04-7095-3010 - レストランナチュール
住所:鴨川市小湊649
TEL:04-7095-3060
取材・文/喜多 雅明 撮影/織本 知之
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