火曜日の「シンラジオ」は文系CLUBラジオ。パートナーにライスの関町知弘さんを迎えての放送です。3月7日(火)の選曲ジャンケンはミスチルソングがテーマ。ついに先週決着がついたこの勝負、リベンジに燃える鈴木さんが選んだあの1曲は？？
鈴木おさむ（以下、鈴木） 今日は私だけリモートでの放送です。僕が脚本・演出をやっている今田耕司さんの舞台『正偽の芸能プロダクション』が来週水曜から始まるんですけど、それが夜中稽古で、9時くらいに集まって深夜2～3時までやっていたら先週ぐらいに体の具合が悪くなってしまいまして。
関町知弘（以下、関町） 大丈夫ですか？
鈴木 金曜日に口内炎がすごいできて、普段からできやすいんですけど、でもなんかおかしいなーと思ってたら、尋常じゃないほど舌が腫れちゃっていて。
関町 ええ～。
鈴木 それで行きつけの耳鼻科があるんで、行ってみたら50人待ち。
関町 花粉症とかで混んでますけど、それはきつい。
鈴木 でも何とか待って受信してみたら、先生が「あれ？ これ左だけ腫れてない？」っていうから見てみたら、喉も左だけ腫れていて、「これ帯状疱疹じゃないかな」って。口の中にできるのは珍しいんですけど。とにかく激痛なんですが、そんな中でこれは僕だけかもしれないけど、異常に腹が減るんですよ（笑）
関町 それは副作用かなんかですか？
鈴木 わかんないけど腹減るの。でもおにぎり1個でも食べようものなら痛くてたまらない。
関町 そうか、痛くて食べられないんですね。
鈴木 薬剤師さんには薬貰ったら「早く飲んでくださいね」って言われて、調べると発症して72時間以内に飲めるかどうかが肝みたい。一気に増殖するみたいで。それでだいぶ良くなったけどまだ舌が半分しびれていて、今日はご迷惑を掛けます。
関町 いえいえ！ でも早めに帯状疱疹とわかってよかったですね。自分だったら50人待ちなら今日はいいかとなっちゃうかもしれないです。
身体的に厳しい状態の鈴木さんですが、勝負には燃えています。前回の初勝利にいまだ酔っている関町さんに対し、2連敗は避けたい鈴木さん。曲のセレクトはもちろんのこと、より深いエピソードで勝ちに行きます！
1回戦目：関町セレクト『エソラ』
鈴木 今までは引き分けばかりで、いわば「引き分けコント」でした。もうマジで、ガチで勝負しましょうね。
関町 リモートということで、僕の不戦勝でもいいですよ（笑）
鈴木 いやいや、僕がなぜ今日リモートかというともう一つ理由があるんです。もう勢い余って、関町君をぶん殴りそうだから（笑）
関町 なんでですか、メチャクチャ言ってる（笑）。危なかったな、次回くらいまでリモートにしてほしいくらい。
鈴木 手が出そうなんですけど、それでは最初の1曲は？
関町 『エソラ』です。オープニングにはふさわしくて、本当にテンションが上がります。ライブでも最近は絶対演奏する曲になっていまして。前奏で盛り上がるんです。
鈴木 しかもアルバムの曲でファン人気が高いところを選ぶというのが、本気で勝ちにきていることがわかりますよ。大したエピソードもないくせに勝とうとする（笑）
関町 もうこの曲は気持ちなんですよ、いいんですよ！ 情報なんてのは。
鈴木 何が悔しいかって、家電量販店に出れば俺の方が売れるのに、結果的に出世したのは関町君みたいな感じ。
関町 桜井さんは曲を作るときに、『君の瞳に恋してる』という曲があるじゃないですか、あれをイメージしたそうなんです。とにかくテンション上がる曲を作りたいということで。
1回戦目：鈴木セレクト『シーソーゲーム ～勇敢な恋の歌～』
鈴木 私の方は、どベタにいきます。1995年の曲で、前年『Tomorrow never knows』のヒットを飛ばした後になるんですが、95年はとにかくすごいヒットが多い。ドリカムの『LOVE LOVE LOVE』、ダウンタウン浜田さんの『WOW WAR TONIGHT～時には起こせよムーヴメント』、福山雅治さんの『HELLO』など、今もよく聴かれる曲たちと並んで年間5位に食い込んだ曲です。この年は桑田さんと『奇跡の地球』とかも発表したけど、とにかく僕はこの曲でミスチルが勢いのあるバンドから国民バンドになったなという印象がある。
関町 みんな絶対、歌ったり聴いたことのある曲ですね。
鈴木 あなたがアルバムの中から小狡くいくんで、僕はもうドストライクにいきます。
2回戦目：関町セレクト『innocent world』
関町 僕もストライク返しということで、『innocent world』です。
鈴木 でました……。
関町 ミスチルが一番初めに爆発的ヒットしたのはこの曲で、そこから『Tomorrow never knows』につながっている印象があります。子供の時に聴きましたけど、売れたって感じたのはこの曲でした。
鈴木 それで売れる人って、その時期に立て続けにヒット曲出すよね。
関町 なんかあるんですかね、パンパンと3曲くらい出せば世に浸透していくみたいな手法が？
鈴木 その勢いに賭けるというか、なんかあるんだろうね。
関町 この時期、桜井さんが売れる曲にしたいって結構プレッシャー掛けられていたようで、それでノートの最初に「疲れた」と書いてみたら、一気にできたという話もあるようです。
鈴木 小林武史マジックもあるからね。それで関町さん、この曲の思い出は？
関町 だから小学校のときに……、おさむさん、今日どうしても勝ちたいんですね。こんなプレッシャーのかけ方ないじゃないですか。思い出の曲なんですよ。
鈴木 畜生……曲で勝ちに来たな？ その狡さ。
関町 これは聴きたい方も多いかと思います。
鈴木 そりゃ聴きたいですよ。そんな汚い手を使うなら、どうぞかけてください（笑）
2回戦目：鈴木セレクト『CROSS ROAD』
鈴木 さっきまでの曲より、もっと遡った1993年の曲です。ミスチルがヒットしたきっかけになった曲と言えばいいのかな？
関町 ずっと長くベストテンにいたようなイメージがあります。
鈴木 そうだよね、チャートを見るとこの前までは10何位だったけど、この曲で皆に知られた。日本テレビ『同窓会』の主題歌でヒットして、斉藤由貴さん、西村和彦さん、髙嶋政宏さん、田中美奈子さんらが出演して、ポイントはデビュー前のTOKIOの山口達也君とか国分太一君とかが出てる。
関町 はいはい。
鈴木 始まってみると、恋愛ドラマなのかなと思いきや、主人公がバイセクシャルを隠してたり、山口達也君が大活躍して新宿で体を売ってる設定だったりと、秘密の関係を男たちが持ってしまったりとか。今でこそLGBTQは話題だけど、当時はすごいショッキングで。桜井さんは1話だけ台本見て曲を書いたみたいだけど、途中からあんな展開になるとは予想してなかったみたい。
関町 でもある意味色んな思いが交差して……
鈴木 まさに『CROSS ROAD』だよね。この曲は色んな捉え方されたんじゃないかな。ドラマ話題になって曲もブレイクしていった。この曲で「できた！」って感触あっただろうなあ。
鈴木さんにねぎらいのメールがたくさん来ています。寝ることが効果的、1週間仕事減らすこと、飲みに行くのはやめにしましょう……などなど。心配やアドバイスが続々と届き、鈴木さんも、特に寝ることの大事さを実感したようでした！
3回戦目：関町セレクト『名もなき詩』
鈴木 でた！ これは和久井映見さん、堤真一さん出演の『ピュア』の主題歌です。
関町 この1つ前が『シーソーゲーム』なんですよね、あそこで1回落ち着いたかなと思ったところで、この曲の衝撃でした。
鈴木 しかも『シーソーゲーム』はノンタイアップであのヒット。それから月9がくるのも分かっていたのかな？
関町 これ230万枚ですか。1週間でミリオン。
鈴木 あの言っときますけど、関町君がすごいわけではない。あたかも自分の過去の記録のように言うけど（笑）
関町 改めてすごい曲だなと。初動でなら一番なんじゃないですか？ 今までの曲と違って後半にラップがあったり、色んな驚きをこの曲に入れている感じで。
鈴木 勝ちに来ましたねー。リスナーからも沢山の絶賛の声が来ています。
関町 皆さんに刺さってますね～。あれ僕、前半飛ばしすぎてますか？ ありがとうございます！
いよいよ番組も5時台に突入。ここまで関町さんの選曲が好評なようにも見えます。あまりのリスナーからの好評ぶりに、鈴木さんが「仕込みじゃないか」と疑惑の目も。これからの5時台での巻き返しを決意する鈴木さんでした！
3回戦目：鈴木セレクト『365日』
鈴木 僕ちょっとこの悪い空気を変えます。ストレートパターンから離れまして、アルバム曲から。
関町 あーー！ いい曲。
鈴木 これは大名曲のウエディングソング。CMでメジャーになったけど、それまで知らなかったんです。それでタカ＆トシのタカの結婚式を北海道でやったときに タカの親友が歌ってたらいい曲で、つい泣けちゃいました（笑）。歌詞がすごくて、それをウェディングにするのはとてつもなく難しかっただろうけど、素晴らしい曲になっています。
関町 もう早く聴きたくなってきました！
鈴木 これで5時台勝ちにいきます。逆転を狙いたい！
そして今回の放送で最も反響が大きかったあの曲が、ついに登場。この後も関町さんによる選曲はリスナーからの好評が続いています。
4回戦目：関町セレクト『Over』
関町 4曲目は『CROSS ROAD』や『Innocent World』が入っている『Atomic Heart』というアルバムに入っている曲です。この2曲がヒットしてるのに、アルバムのCMではこの曲を流しているんです。「これだ！」と思いましたね。このアルバム、クラスみんな持っていました。
鈴木 関町君……なんか、いやな予感がする。この曲がすべてを掴んでいる気がする。なぜかというと、リスナーからの反響が大きすぎる。掴んでいる気がします。
関町 ミスチルは色々失恋ソング作ってますけど、これ生々しくもあり……
鈴木 関町君……この曲、意外に流さないっていう手もある（笑）
関町 なんで流さないんですか（笑）！ おさむさん、らしくないですね。トラウマになっているんじゃないですか、前回のことで。
鈴木 リスナーからのメッセージです。「めっちゃ好き」「この時間に聴くOVERたまんない」「今日は関町さんの勝ち」と来ています。いやいや、まだです。まだ早いよ（笑）！
関町 みんな堪えちゃってますね～。
鈴木 このリモートの画面から見える関町君の笑顔がね、ドラマに出てくる悪い眼鏡の奴に見える。
関町 誰が悪役ですか（笑）
4回戦目：鈴木セレクト『fanfare』
鈴木 90年代の曲が中心になりがちなんですけど、やはりそれ以降もすごい。ここで流すのは『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』の主題歌で、ここからワンピース映画が子供中心から大人が見に行くアニメ映画になり、そこから去年公開の『ONE PIECE FILM RED』にもつながっています。この曲の勢いがワンピースの船に風を吹かせて、一気に前に進ませたという気もします。
関町 はい。
鈴木 2009年リリースだからデビューして相当経っているんだけど、毎年出てくる若手の中で長年これだけやってるのはすごい。新曲も記憶に残っているし、「やっぱミスチルかっちょいい」と改めて思った人もいるんじゃないかな？
関町 僕も記憶に残っています。ワンピースにミスチルが曲を書くんだっていう。
鈴木 ミスチルの曲がワンピースの暗い部分を一段上げてくれたような気も。そして、まだまだミスチルかっこいいぞって見せてくれたんじゃないかと思いました。これで『Over』に対抗します！
5回戦以降、背水の陣を行く鈴木さん。6時台の最終決戦で出てくる曲とは!?
そして関町さんの圧勝かと思うところに、あの名曲も登場！
この曲でもリスナーから思わぬ反響が生まれました。はたしてそれは両者にとって悲報か吉報か……。
勝負の行方はradikoだけが知っている！
鈴木おさむ
1972年生まれ。千葉県千倉町（現・南房総市）出身。高校時代に放送作家を志し、19歳で放送作家デビュー。人気番組の構成を担当。映画、ドラマの脚本や舞台の作演出、小説の執筆など、さまざまなジャンルで活躍している。
Illustration：TONDABAYASHI RAN
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